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作品集「 SUDIRU 」岡本恵昭・新城大地郎 ( 新城大地郎サイン付 )

作品集「 SUDIRU 」岡本恵昭・新城大地郎 ( 新城大地郎サイン付 )

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新城大地郎と彼の祖父・岡本恵昭の作品集。PALI GALLERY では新城大地郎直筆サイン付きになります。是非お買い求めください。


岡本恵昭・新城大地郎「 SUDIRU 」
発行:赤々舎
SizeH297mm x W228mm
Page152 pages
BindingHardcover
Published in March 2025
ISBN978-4-86541-195-9
Published in March 2025
¥ 6,500tax

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祖父がひとりで撮りためていた宮古島の秘祭の写真を、孫でアーティストの新城大地郎が発見する。そこから「 スディル(再生) 」を巡るふたりの長い対話がはじまった。

岡本恵昭(オカモト・ケイショウ 1937-2024)は、宮古島に根ざした禅僧であり、民俗学の先駆者であった。1960年代後半より狩俣集落を中心にフィールドワークを開始し、柳田國男、折口信夫、西田幾多郎らの思想に影響を受けながら、沖縄の民俗文化を掘り下げた。

本書は、岡本が、地方学(じかたがく)としての民俗学の実践の一環として、1960年代後半から1970年代後半にかけて撮影した、狩俣、島尻、池間島、西原、来間島、砂川の祭祀儀礼の様子を収録している。

研究資料という位置付けを超え、写真の本質を宿すように写っているのは、カミや自然に感謝し祈る人々の「あるがまま」の姿である。村落祭祀の空間は、外部の者はもちろん、集落の人々でさえ容易に立ち入ることのできない聖域であった。祭祀の尊厳を損なわぬよう、ハーフカメラを用いながら撮影された無私の記録── 外部からの観察でも完全な内部視点でもない ── には、 祭祀、自然、人々の営みが深く結びついた宮古島の精神世界が息づいている。真摯に祈るツカサたちの背中は、ただの風景ではなく、時を超えて生き続ける力強い「存在」として現れる。

また、孫でありアーティストの新城大地郎が、岡本恵昭の写真に藍や墨を重ねた作品も展開される。岡本恵昭の没後、著作とともに遺された写真、ノート、音源、遺物など貴重な学術資料は、新城によって大切に保管されていた。岡本が記録した過去と、新城が生きる現在が交差しながら、新たな「蘇り」を生み出していく。加えて、民俗学者・島村恭則による「岡本民俗学」への学術的考察、写真家・石川直樹による寄稿からもその「再生」が織りなされる。

タイトル「スディル」は、宮古島の言葉で「再生」や「蘇り」を意味する。変化し続ける時代においても脈々と息づく、静寂とダイナミズムと美しさを含んだ精神文化。岡本恵昭と新城大地郎の対話を通して巡る「スディル」が、現代に生きる私たちに「根」を見つめる契機を与え、多様な文化や価値観が交錯する世界に、新たな視座から問いを投げかける。

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民俗学的転回。新城が本書で試みているのが、まさにこれである。岡本民俗学は、新城大地郎という現代書家の作品とつながり、融合することで、まったく新しい表現の形を獲得する。" / 島村恭則(民俗学者・関西学院大学教授)


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アジェの写真がベレニス・アボットによって見いだされ、宮本常一の写真が森山大道によって再評価されたように、岡本恵昭の写真は孫の新城大地郎によって、記録と記憶のモニュメントとして屹立する。自分が五年前に見て心を動かされた岡本の写真が、時代を越え、写真集という形で世に出ることはとても嬉しい。" / 石川直樹(写真家)

"本来、これらの写真は公にできるようなものではない。しかし、祖父がシャッターを切ったあの瞬間から、深いプロセスを経て、今日ここで「表現」することに意義がある。神秘的とか珍奇で稀なとか、そんなものは何でもなく、ここで根底に向き合い続けることで、自らの「根」を覗く感覚が躍動するのを覚え、今を表現するための一本の糸が、強く、どの写真にも結びついているように思える。ここに写るのはパフォーマンスではなく、人々が当たり前に、カミや自然に感謝する 「あるがまま」の姿だ。" / 新城大地郎(アーティスト)

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Book Design:前田晃伸 髙橋ゆう
編集:辻村慶人
進行:永井あやか
EditorYoshi Tsujimura
Project facilitatorAyaka Nagai
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▪︎岡本恵昭

1938年、沖縄県宮古島生まれ。1611年に開山された臨済宗妙心寺派龍寶山祥雲寺の住職を務める傍ら、1972年の沖縄本土復帰以前から宮古島を拠点に宮古島民俗学の研究を続けてきた。島内各集落の祭祀儀礼を中心に、シャーマニズムを禅僧侶の視点から考察し、宮古島の民間信仰と村落祭祀にみる精神文化を探究。また、村落に眠る化石や民具、祥雲寺に残る宝物や資料を収集し、宮古島市総合博物館や沖縄県立博物館へ多数寄贈し、貴重な資料として現在も収蔵・展示されている。

旧平良市の史編纂委員や文化財保護審議委員、博物館競技委員を務め、宮古島市総合博物館の開館にも尽力した。宮古島出身の宗教者としての視点から、民俗・信仰・慣習・風土を幅広く研究し、宮古島の民俗学の発展に貢献した。代表著書に『宮古島の信仰と祭祀』(第一書房)がある。

1961 花園大学禅哲学科卒業
1965 臨済宗妙心寺派龍寳山祥雲寺住職就任
2011 著書 「宮古島の信仰と祭祀」発刊 (第一書房)
2019 展覧会「KEISHO MYAHK 196X-2021 Photo ExhibitionGallery UESUYA
2022 展覧会「SUDERUPALI GALLERY
2024 遷化 (享年 87


▪︎新城大地郎
1992年、沖縄県宮古島生まれ。静岡文化芸術大学卒。禅僧で民俗学者の岡本恵昭を祖父に持ち、幼少期より禅や仏教文化に親しみながら書道を始める。禅のほか沖縄の精神文化を背景にして、伝統書道に新たな光を当てる自由なスタイルを追求。身体性と空間性を伴う現代的な表現で、形式にとらわれない書を展開している。

2017年、Playmountain Tokyoで初個展「Surprise」を開催。その後、ロサンゼルスのALTA Gallery2023年)など国内外で展示を行う。2021年にtricot COMME des GARÇONS2024年にTAOのコレクションに作品が起用され、2021年にはエルメス制作のドキュメンタリーフィルム「HUMAN ODYSSEY」に出演。2022年には、地元宮古島に「PALI GALLERY」をオープンさせた。

2014 静岡文化芸術大学卒業
2017 個展「SurprisePlaymountain Tokyo
2022 PALI GALLERYを開く
2023 海外初個展「Black WaxALTA Gallery , Los Angeles
2024  金沢21世紀美術館 「すべてのものとダンスを踊って共感のエコロジー」展に出展

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